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日本酒×フランス料理 マリアージュ会報告 vol.5

イベント 2019.02.01

皆様、こんにちは。WEB&広報担当の角守です。
先日行われた日本酒とフランス料理のマリアージュ会の様子をお伝えします。
 

広島並木通りにある人気フランス料理店「レ・ザンバサドール」様と大和屋酒舗のコラボイベント
 
日本酒とフランス料理の可能性を追求するシリーズ。今回で5回目の開催となりました。
 
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ここ最近、フランスの星付きレストランでも取り入れられるようになった日本酒。フランス料理と日本酒のマリアージュは、日本酒の本場だからこそ探究していきたいテーマです。
 
冬の旬の食材を使ったレザンバサドール様のコース料理と大和屋酒舗セレクトの日本酒。1つの料理に対して1つの日本酒という形で食べ合わせを楽しんでいただきました。
 
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『レ・ザンバサドール』オーナーシェフ・中土征爾(なかどせいじ)氏。
 
フレンチの技法を使って広島の食材をはじめ、和の食材を使って新しいフランス料理を提案。
 
フランスでの修行経験もありソムリエの資格も持つ中土シェフは、料理に合わせたワインや日本酒とのマリアージュを長年探求されています。
 
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お酒のサポートをさせていただいたのは大和屋酒舗・上瀬将太。
 
日本酒の資格である唎酒師のさらに上の酒学講師を持ち、お客様をはじめ蔵元からも厚い信頼を寄せられています。
 
今回の料理にマッチングする日本酒をセレクトしました。
 
事前の食べ合わせ検証では、膨大なお酒リストから20種類を厳選。さらにその中から一皿ずつと実際に検証。要素を探りペアリングを導きました。
 
中土シェフとも意見を交わしながらペアリングの完成度を高めていきます。
 

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今回、料理7皿に対して7つの日本酒が選ばれました。
 
右から
 
一代弥山スパークリング 
小布施ソガペールエフィス ドメイヌ池田
醸し人九平次 ル カー・ボヤージ
田村 純米吟醸
黒龍 三十八号 純米吟醸
賀茂鶴 広島錦 純米大吟醸
ボーミッシェル スノーファンタジー
 
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一皿ごとに、料理の説明を中土シェフ、お酒の説明を大和屋酒舗・上瀬が行いました。
 
そして、食べ合わせのポイントを大和屋酒舗からご提案。日本酒・料理それぞれ単体では見えてこなかった側面、マリアージュすることで現れる味わい・香りを丁寧に説明していきます。
 
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1皿目:アミューズ グジェール ブラックオリーブのマドレーヌ
SAKE一代弥山スパークリング 
 
軽い食感で優しい味わいのアミューズ。
 
やさしい吟醸香と気圧の高い泡の辛口日本酒スパークリングが、これから始まるコースへの準備を整えてくれます。
 
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2皿目:天然真鯛の昆布〆とキングトマトのマリネ 冷燻オリーブオイルと白葱のソース 焼き昆布パウダー
SAKE: 小布施ソガペールエフィス ドメイヌ池田
 
料理は、昆布〆して2日目の天然真鯛に白葱と冷燻したオリーブオイルのソース、味の濃いキングトマトのマリネ。それに柚子とセルフィーユ、焼き昆布パウダーを添えた一皿。
 
日本酒は、小布施ワイナリーが冬にだけ造る限定酒「ソガペールエフィス」。
 
・ソガペールエフィスのきれいで軽やかな酸が、昆布〆された真鯛の旨味・甘みを引き立てる
 
・キングトマトの甘み・酸味とも同調、トマトがソースのような役割に。
 
・生もと造り由来の複雑な味わいが、スモークしたオイル・白葱のほのかな苦みと共鳴
 
・生酒の生き生きとしたフレッシュ感とスパイシーな味わいが、セルフィーユの青い香りともマッチ
 
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3皿目:パースニップのエスプーマ エゾバフン雲丹とコンソメのジュレ
SAKE醸し人九平次 ル カー・ボヤージ
 
料理は、パースニップのエスプーマに、コンソメのジュレを纏ったエゾバフン雲丹で構成された優しい一皿。(パースニップとは、白ニンジンのような見た目の甘みが強いセリ科野菜)
 
日本酒は、綺麗な酸と上品な甘みアルコール度14%とライトな口当たりの「醸し人九平次 ル カー ボヤージ 純米吟醸」
 
日本酒でも「雲丹」と合わせるのは意外と難しいが、今回抜群にマッチしたのがこの「醸し人九平次 ル カー ボヤージ 純米吟醸」
 
・九平次のエレガントな酸が、コンソメ感をグッと引き締める
 
・雲丹の香りと旨みを最大限引き立てる
 
・九平次のクリーミーな香りもあり、エスプーマ・雲丹のクリーミーさと混然一体
 
・アルコール度14%の軽さが、優しい料理に邪魔することなく寄り添う。
 
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4皿目:河豚の白子とコンソメ・ドゥーブルのカルタフィタ包み
SAKE田村 純米吟醸
 
料理は、通常の2倍の材料と手間がかけられた「コンソメ・ドゥーブル」、ダブルコンソメとも言われる究極のコンソメ。そこに旬の河豚の白子、長ネギ、トマトが入った贅沢なスープです。
 
日本酒は、自然栽培を使用した生もと仕込みの「田村 純米吟醸」
 
ワインとスープは合わせるのが難しく、スープにマッチする日本酒をずっと探していて、やっと出会ったのがこの「田村 純米吟醸」と中土シェフ。
 
・自然米のやさしい香り、空気と触れることで開く米の豊かな甘みが、香り高くコク深いコンソメと同調。
 
・河豚の白子のクリーミーさと甘みも包み込む。
 
・米の力強い旨味とキレのある味わい、生もとならではの五味の調和する懐の深い純米吟醸が、繊細で贅沢なスープにベストマッチ。
 
スープ⇒田村⇒スープ⇒田村とずっと飲み続けられる、と絶賛の組み合わせと好評でした。
 
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5皿目:オマール海老のロースト 根セロリのピュレ
SAKE黒龍 三十八号 純米吟醸
 
料理は、オマール海老のローストにアメリケーヌソースとジュドオマールの泡、根セロリのピュレ。手造りの海老せんべいが香ばしさのアクセント、セロリのスプラウトの香りで爽やかさをプラス。
 
甲殻類の旨味の強いこの料理にマッチするのは、上品な米の旨味と熟成した旨味でトータルバランスに優れた逸品「黒龍 三十八号 純米吟醸」。
 
・オマール海老の凝縮したエキス感のある旨味にベストマッチ
 
・熟成したふくよかな旨味がコクのあるソースに同調
 
・根セロリのピュレがオマール海老のコクをやさしく包む
 
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6皿目:広島牛低温調理のエギュイットとトリュフ 白バルサミコのカプセル
SAKE賀茂鶴 広島錦 純米大吟醸
 
料理は、真空低温調理した広島牛を軽く炭火であぶりスライス。通常の三倍の赤ワインを使った赤ワインソースと三河みりん。黄身のコンフィを添え、贅沢な量のトリュフ、全体を締める白バルサミコのカプセル。
 
日本酒は、華やかで上品ながら深みのある味わいの幻の酒米を復活させ醸した「賀茂鶴 純米大吟醸 広島錦」。
 
・広島錦のふくよかな旨味が広島牛の脂の甘みを引き出す。
 
・赤ワインと三河みりんの甘さ、白ネギの甘み全て包み口の中で料理が完成。
 
・白バルサミコのカプセルの酸が料理全体を引き締める。
 
オレイン酸が多く融点が低い広島牛、口の中で黄身のコンフィと乳化し一体化。
中土シェフが「すき焼き」へのオマージュを込めてフレンチ風に仕上げた渾身の一皿。
 
それを、見事に「賀茂鶴 純米大吟醸 広島錦」の適度なボリューム感がキレをもたらし全体をまとめました。
 
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7皿目:林檎の皮とカルヴァドスのピュレ
SAKEボーミッシェル スノーファンタジー
 
当初予定になかった一皿。
 
事前の食べ合わせの際、「ボーミッシェル スノーファンタジー」を口に含んだ中土シェフが、「林檎感すごい!」とその場で仕上げた組み合わせ。
 
林檎のピュレとボーミッシェルを一緒に含むと、まさにファンタジー。口のなかで林檎の蜜のような香りと甘さと爽やかな酸味が広がり、最高の締めとなりました。
 
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オープンキッチンならではのライブ感と、スタッフの皆様の温かく行き届いたサービス。至福のひとときをありがとうございました。
 
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会を重ねるごとに洗練されていくフランス料理と日本酒のマリアージュ会
 
日本酒とワインの大きな違いは「酸度」と「香り」
ワインに比べ、酸と香りが強くない日本酒は、コースでは単調になりがち。
 
中土シェフの探求から生まれた技法が、いくつも散りばめられていました。
 
柚子、セルフィーユ、セロリのスプラウト、白バルサミコのカプセル、トリュフ、カルヴァドス・・・
 
料理に、「酸」の要素と「香り」の要素をプラスすることで、コース全体にメリハリが生まれ完成度の高いマリアージュへと広がりを見せてくれました。
 
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そして、日本酒も進化しています。
発泡系、酸の個性、香りの立つもの、熟成、甘さが際立つものなど、味わいにバリエーションが増え、フランス料理との食べ合わせの可能性を広げてくれています。今後もますます楽しみです!
 
ご参加くださいましたお客様、中土シェフ、そしてマダム、レザンバサドールの皆様、本当にありがとうございました!!
 
 

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